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京都 西芳寺川 松尾山林道でコケ見る散歩

先週、天然記念物の巨木を見て回ったので、今回はコケを見に行くことにしました。

コケは非常に身近にも生えている植物ですが、あまり深く知りません。
コケの種類として思い浮かべる名前は、スギゴケとゼニゴケ…あと園芸で使うミズゴケくらいですか。

正直、道路脇の溝の隙間やブロック塀に生えているコケの名前すら知らないのです。
まずコケの知識を得ようと、苔の本や図鑑を見てみました。

一般的にコケというと、地面にへばりついた平べったい植物を総称していますが、厳密には蘚苔類と呼ばれる植物をコケといいます。
蘚苔類は、スギゴケを代表とする蘚類とゼニゴケの仲間の苔類、あとツノゴケ類の3群に分けられます。

スギゴケとゼニゴケは、明らかに形が異なりますので、蘚類と苔類の見分けは簡単そうに思えましたが、ゼニゴケというコケは苔類の中でも異端児らしく、多くの苔類は蘚類に似ているように思います。
(専門家に言わせると、蘚類と苔類はかなり違うらしい)

本を読んで、少しわかったような気になったので、実際に見に行くことに。

京都でコケといえば有名な苔寺「西芳寺」を思い浮かべますが、西芳寺はあらかじめ予約をしなければならず、しかも参拝料が3,000円。
コケのド素人が行くにはあまりにもハードルが高い。

話によると、現在は約130種類ほどのコケが生えている西芳寺ですが、もともとコケなんか生えていなかったらしい。江戸時代に、周囲の山から飛んできたコケの胞子が根付き、勝手にコケが生えたんだそうです。

と、いう事は、素人考えですが、西芳寺の周辺にも、たくさんのコケが生えているのではないか、と閃きました。
西芳寺の横に流れている西芳寺川に沿って、国有林に囲まれた松尾山林道には、きっと多くのが生えているに違いない、と。

家からも比較的近いし、さっそく散歩がてらに林道歩きに行ってきました。

京都一周トレイルとの分岐を過ぎると、崖土側はたくさんのコケが生えています。
e0035757_1743956.jpg


コケを近くでじっと眺めているとまるで、まるで小さなジャングルのように見えてきますね。
いったい何種類のコケに出会うことができるでしょうか。
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コケは、土の上や朽ちた木だけでなく、いろいろな所に生えています。
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左上:木の幹にキノコと一緒に生えているコケ。
右上:石にへばりついているコケ。
左下:頭上の枝にぶら下がっていた、キヨスミイトゴケ(蘚類)。
キヨスミイトゴケが生えている場所は、植物にとって良い環境らしい。
右下:フユイチゴの葉っぱに生える、カビゴケ(苔類)。特徴のある匂いがします。

コケの名前は、後から図鑑を見て調べましたが、あまり自信がありません。
コケは日本に1600種以上あるようですが、専門家でも顕微鏡で見ないと識別できないものがあるそうです。

蘚苔類の他に、コケと名がつく別のグループの生き物もいるので、注意が必要です。
地衣類やシダの仲間には、コケと名がつく紛らわしいモノもいます。
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左:シダ植物のウチワゴケ。イワヒバ科というシダの仲間もコケに似たモノが多い。
中:コケとよく似た地衣類の仲間。
右:冬のツメクサもコケのように見えます。

見た感じがコケに見えないようなコケもあります。
葉が広く大きいコケなどは、コケなのか他の植物なのか悩みます。
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左上:シダのような葉を持つ、シノブゴケ科(蘚類)のコケ。
近くにコケシノブというシダ植物が生えていたりする場合があるので紛らわしい。
右上:最初コケとは思えなかった、オオカサゴケ(蘚類)。食べるとまずいらしい。
左下:これも葉が丸っこいのでコケに見えづらいケチョウチンゴケ(蘚類)
右下:緑色の花が咲いているように見えるのはコツボゴケ(蘚類)
花のように見えるのは、造精器が集まった雄花盤。花びらが苞葉ですか。

胞子体を付けたクジャクゴケ(蘚類)を見つけました。
e0035757_1795254.jpg

クジャクの羽を広げたように見えるクジャクゴケは雌雄同株。

精子と卵子が受精すると、受精卵から胞子体が伸びる。
胞子体の先についている胞子の入った袋が蒴(さく)。

蒴は「コケの花」とよばれるようです。
コケの蒴は、春と秋に多いらしいですが、冬でも見られました。
e0035757_17103580.jpg

左上:蒴柄が短いコダマゴケ(蘚類)だと思う…。
右上:こちらも蒴柄が短く、髭のような葉が生えるイクビゴケ(蘚類)
左下:クラマゴケモドキ(苔類)に似ているような気がする。下に茶色っぽい蒴が見えます。
クラマゴケという名前のシダ植物に似ているコケなので、クラマゴケモドキというらしい。
右下:二種類のコケが蒴を伸ばしあっていました。左側のコケはケヘチマゴケ(蘚類)かな。

最初は、下調べしていたおかげで、コケの形状の違いなどが分かったような気がしていました。
しかし、いろんなコケを見て歩くうちに、似たものが多くあり、わけがわからなくなってきました。

ゼニゴケ目の仲間なら何とか区別がつくだろう、と思ったのですが。
e0035757_1712026.jpg

これまた、よく分からない。
e0035757_17121670.jpg

左上:これはジャゴケ(苔類)だと思います。三角の出っ張りは雌器床か。
右上:葉状体の縁が茶色いのでツボゼニゴケ?
左下:雄器床に、短い毛のようなものが生えているのでケゼニゴケ(苔類)
右下:これはミズゼニゴケの仲間でしょうか?

図鑑やネットで調べてもなかなか識別は難しいですね。
同じコケでも、違う人が撮ると違うコケのように見えてしまいます。
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左上:フクロヤバネゴケ(苔類)に似ているようでもあり、違うようでもあり…
右上:図鑑で見ると、コバノチョウチンゴケ(蘚類)のような気がします。
左下:沢沿いの暗がりに生えていたのはホウオウゴケ(蘚類)かな。
右下:細いヒモのようなものがぶら下っているので、ムチゴケ(苔類)の仲間でしょう。

まだまだたくさんのコケがありましたが、どんどん不確かになっていくので、ここらで止めておきます。

コケを探している時に、青いキノコと粘菌の子実体を見つけました。

小さくて、歩いていたら絶対に見つけることが出来なかったと思う、青いキノコ。
e0035757_17134367.jpg

形状から見てチャワンタケの仲間だと思います。
ロクショウグサレキンに近いような気がしますが、これはお椀の中が白いのでわかりません。

別の切り株で、小さな白いツブツブを見つけました。粘菌(変形菌)の子実体だと思います。
e0035757_17135917.jpg

離れた所に、少し色が茶っぽくなったのが並んでいました。
風船みたい。
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だんだん目が慣れてくると…白、茶色、こげ茶色と、いろんな状態の子実体がありました。
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変形菌は冬には硬くなって冬眠するらしいのですが、これは子実体で冬を越すのかな?

今回、初めてコケ見る散歩をしましたが、思いがけずいろんなコケを見ることができました。
なかなか、コケの世界も奥が深かったです。
e0035757_17152098.jpg


*コケの写真に間違って名前を付けているかも知れませんし、中には蘚苔類ではない植物も入っているかも知れませんが、あしからずお願いいたします。

良いお年を…
by kou_shino | 2008-12-27 17:59 | 京都府(99頁) | Comments(0)


主に関西の自然を散策しながら、出会った生き物や風景の写真と、ファーブルフォトで撮った顕微鏡写真のアルバムです。


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