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京都府 甘南備山のチョウたち

8月の間あれほどやかましかったクマゼミの姿も、9月に入ると律儀に姿を消し、夜は秋の虫たちがリーリーと鳴く季節に変わったはずなのに、日中は何故こうも暑い日々が続くのでしょうか。
太陽高度が傾き、日照時間も減っているはずなのに、昼間の暑さは8月並みです。

朝、元気に泳ぎ回るメダカたちに餌を与えてから、甘南備山へ向かいました。
近鉄新田辺駅から、一休さんで有名な酬恩庵を過ぎ、田畑が広がる甘南備山へ。

最近水の飲みすぎからか、朝から少し胃の調子が良くなかったんですが、炎天下の道を歩いていたら気分が悪くなってきました。
甘南備山は低い山ですが、今回は山の中に入らずに、登山口周辺を散策する事にしました。

最初に現れたのは、ハラビロカマキリ。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17462127.jpg

ハラビロカマキリ以外にもカマキリは何匹かみました。
産卵に備えて、獲物を探しているのでしょうか。

マメ科の植物に産卵するツバメシジミ。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17463759.jpg

小さな尾状突起がある後翅を、すり合わせる仕草がかわいい。

山で鳴いていたセミのほとんどがツクツクボウシです。
他は、アブラゼミとミンミンゼミくらいでしょうか。
一匹のツクツクボウシが葉っぱにとまっていました。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_1747040.jpg

様子がおかしいので、触るとポタリと落ちた。
ひょっとしてセミノハリセンボン(冬虫夏草)か、とも思いましたが、摘まんで見ると、腹に穴が開いていて、中からアリが出てきました。

クヌギの木で樹液を吸う、ルリタテハ。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17472278.jpg

翅の裏側の模様が、樹皮とそっくり。
なんで、こんな翅なのにルリなのか、と言うと、表側にきれいな瑠璃色のラインが入っています。

サトキマダラヒカゲやスズメバチと一緒に、樹液に群がるルリタテハ。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17491476.jpg

上の2匹がルリタテハ。少し開いた翅から、ブルーのラインが見えました。
スズメバチが恐ろしいので、これ以上近づけません。

セセリチョウも何種類かいるもよう。
これは、コチャバネセセリ。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17493520.jpg


先週の飛鳥でも見たようなチョウがいましたが、よく見るとちょっと違う。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_1750081.jpg

左がヒメウラナミジャノメ。
ウラナミジャノメによく似ていますが、後翅裏側の目玉模様の数が違う。
ウラナミジャノメは3つしかありませんでしたが、こちらは5個ある。

右がコミスジ。
ホシミスジとよく似ていますが、ライン模様が微妙に違う。

2年前に、ツリフネソウがたくさん生えていた場所へ行ってみましたが、ツリフネソウの数が激減していました。工事現場は無くなったんですが、ちょっと雰囲気がかわっていました。

トンボも何種類かいました。
これは、オオシオカラトンボのメス。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17542599.jpg

オスとは色がかなり違います。

これは、オニヤンマかな。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17544779.jpg

目玉の色が美しい。

黒いアゲハがいたので、写真を撮って見ると、何やら妙な違和感が。
このアゲハ、後翅に尾状突起がありません。

という事は、これはナガサキアゲハのオスでしょうか。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17551083.jpg

シーボルトが長崎で見つけたのでナガサキアゲハというらしいのですが、元々南方のアゲハで、昔は九州より南にしかいなかったらしい。
図鑑を見ると、分布は近畿地方以西から南西諸島と書かれてありましたが、温暖化の影響からか、今では関東でも増えているようです。

ナガサキアゲハのオスは黒く、メスは白っぽい。
メスは、南へ行くほど白っぽさが増えあでやかになるらしく、尾状突起のある個体もいるようです。

どこからともなくヒューンと飛んできたのは、ハンミョウです。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17554241.jpg

アゴが大きくて恐ろしげな面構えですが、色はとてもきれい。

帰りに田んぼにあるコスモス畑に寄ったら、キアゲハがいました。
京都府 甘南備山のチョウたち_e0035757_17575559.jpg

秋は確実に来ているんですが、紅葉は無理でしょうね。

暑い暑いと思いながら家に帰ると、ショックな事が起こっていました。
朝見た時は元気だった、1つの水槽のメダカが全滅。

8月の猛暑も乗り切ったのに、いったい何故?
考えられる原因は、太陽高度。

8月は太陽が高かったため、直射日光にあまり当たらなかったのに、太陽高度が変わりモロに直射日光を受けてしまった。
しかも暑さは8月と同じで、水温はおそらく40度を超えてしまったんでしょう、別の場所に置いてある水槽の水温とは、まったく違いました。
あ~、悲しい。
by kou_shino | 2010-09-05 18:06 | 京都府(90頁) | Comments(2)
Commented by はーしぇる at 2010-09-07 21:06 x
メダカ残念でしたね~~。こういうのってしばらく尾をひきますよね。
でも昆虫たちの写真、夏らしくていいなぁ。

先日河原で盛大に藪漕ぎしたら、熱射病で具合悪くなりました。
無理は禁物ですね。若くないんだなぁ、と思いました。はぁ。
Commented by kou_shino at 2010-09-08 09:09
はーしぇる さま
全滅したメダカたちが残してくれた、今年生まれた稚魚たちが、今のところ少なくとも50匹以上いるので、なんとか救いになっています。

いやはや、今年の暑さは異常ですよ。
甘南備山は京都府南部の京田辺市にあるので、なおさらだったと思います。
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主に関西の自然を散策しながら、出会った生き物や風景の写真と、ファーブルフォトで撮った顕微鏡写真のアルバムです。


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