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愛知県 藤前干潟のミサゴ

写真のブログを運営している方の中には、ブログに載せている写真を印刷物に使用したい、という問い合わせがあるかと思います。
このような問い合わせは、「自然の写真帖」のようなアクセス数が少ないブログでも、不思議な事にあるのです。

2年前、編集・制作が平凡社、ユーキャンが発行した大型写真集「人生必見の風景」の副読本、「心に残る日本の風景」という写真集に、当ブログ「自然の写真帖」から2点写真が使用されました。
この時、この写真集の事をブログで紹介しようと思っていたのですが、どうも「人生必見の風景」という書籍が部数限定だったらしく、ネットで調べても販売されている状況がよくわからず、ついつい紹介し損ねてしまいました。
印刷物が送られてきたので、販売されたのは間違いないようですが。

今回は、今月22日に宝島社から発行される、千石正一監修、斉藤勝司著の「群れるいきもの」という本に「自然の写真帖」から1点写真が使われました。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_172585.jpg

千石先生といえば、TV番組の「どうぶつ奇想天外」に出ていた動物学者。
どのような写真でも、自分が撮った写真が出版物に使われる、というのは、なんか、ちょっとウレシイかも。

しかし、生き物の写真を掲載しているブログやホームページはたくさんあるのに、いったい何処から調べてくるのでしょうね。アクセス数少ないのに、ホントとっても不思議。


今回は、青春18きっぷを使って愛知県の藤前干潟へ行ってきました。
藤前干潟は、ラムサール条約登録湿地。

ラムサール条約という言葉は、時々聞くので、ここで簡単におさらいすると。

1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」で、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。
条約の内容は、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的とし、各締約国がその領域内にある湿地を1ヶ所以上指定し、条約事務局に登録するとともに、湿地及びその動植物、特に水鳥の保全促進のために各締約国がとるべき措置等について規定する。
(環境省HPより抜粋)

日本に、現在ラムサール条約登録湿地が37ヶ所あり、藤前干潟はその一つ。
かって、干潟を埋め立てゴミ処分場が計画されたこともありましたが、今後も多くの野鳥が訪れる干潟として残ることになるでしょう。

JR名古屋駅からあおなみ線に乗り換えて、野跡で下車。
稲永公園目指して歩くと、やがて目の前に庄内川と新川の河口が現れます。

庄内川、新川、日光川の河口に広がる干潟一帯が、藤前干潟。
しかし、周囲は工業地帯のようで工場などの建物が並び、草木に覆われた山などは見る事はできません。

名古屋市野鳥観察館の正面沖の流木にミサゴが4羽とまっていました。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_1763295.jpg

庄内川と新川の間の堤防には、多くの野鳥がいましたが、遠すぎます。
海側の河口上空に、何千というカワウの大群が飛んでいました。

ミサゴ達が動く気配が無かったので、カモやユリカモメが集まっている所へ移動。
餌をやる人たちの気配を感じて、オナガガモ達が陸へあがってきました。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_1772645.jpg

オナガガモは、結構平気で人に近づいてきます。これはメス。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_1781728.jpg

ユリカモメ達も激しく近づいてきます。
雄叫び?を上げるユリカモメ。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_179192.jpg

ユリカモメのクチバシと足は赤いのですが、中には黄色っぽいのもいました。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_1792920.jpg

羽の色も少し違うので、色素が足らないのかな、と思っていましたが、これは第1回冬羽のユリカモメでした。
ユリカモメは、2年目で成鳥羽になり、成鳥冬羽になるとクチバシと足は赤くなる。

もう少し先へ歩きたかったけれど、堤防工事中だったので、進めず。
もう一度ミサゴの所に戻ると、ミサゴ達が動き出したもよう。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17101358.jpg

ミサゴは極地以外の世界中に分布し、日本でも各地で見られる鳥ですが、準絶滅危惧種でもあります。
ミサゴ達が魚を捕食する場所はあるのですが、営巣地にふさわしい環境がどんどん減っているらしい。

藤前干潟にいたミサゴは、約10羽。
営巣地になるような場所は、かなり遠い感じです。

上空から魚を探すミサゴ。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17121770.jpg

ミサゴはホバリングした後、急降下して魚を捕獲する、と聞いていたのですが、干潮で水位が下がってきたせいか、水面を滑るように飛んで、魚を捕獲していました。
かなり大きな魚を捕獲。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17123028.jpg

片足で器用に着地。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17124051.jpg

捕らえた魚は、独り占め。他のミサゴは羨ましそうに眺めるだけです。
見ていると、重すぎるのか、時々魚を落としていました。

他に、撮れそうな所にいた野鳥は。
カンムリカイツブリ1羽と、
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17133414.jpg

イソシギが2羽。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17134855.jpg

他、ヒドリガモ、マガモ、キンクロハジ、セグロカモメ、カワウなど。

約半日ほどで、かなり潮が引きました。
ミサゴがとまっていた流木がむき出しになり、干潟が広がっています。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_1714861.jpg

ユリカモメが舞う藤前干潟を見てから帰途へ。
愛知県 藤前干潟のミサゴ_e0035757_17141840.jpg

帰りに、稲永駅横のカインズホームとブックオフに寄りました。
by kou_shino | 2010-01-20 17:21 | 愛知県(6頁) | Comments(4)
Commented by yamasanae at 2010-01-20 19:02 x
kou_shinoさん今晩は
写真が本に採用されたとのことおめでとうございます。
車などでさっと通り過ぎるのではなく、ジックリ歩いているので、素敵な写真が撮れるのでしょうね。これからも素敵な写真を御願いします。
Commented by kou_shino at 2010-01-20 21:25
yamasanae さま
ありがとうございます。
しかし、歩いているからいい写真が撮れる、かどうかはわかりません。
車で来ている人の方が、高価で重たい機材で、じっくり粘っておられるような気がするのですが…。
Commented by はーしぇる at 2010-01-27 21:23 x
ミサゴかっこいいですね。
精悍な姿かたちが本当に魅了的。
さて、やっと時間ができたので「群れるいきもの」を買ってきました。
モリアオガエルの卵って、すごいんですねぇ。
この本、記念にず~~っと取っておきましょう。
でも、結構インパクトのある写真ばかりで【ゾクゾク】します^^)
Commented by kou_shino at 2010-01-28 11:30
はーしぇる さま
大きな魚をハンティングするミサゴは、見ごたえありますよ。
「群れるいきもの」の中の、ガーターヘビやアニサキスの写真は、衝撃でした。
生き物が密集している窒息感が苦手なので、映像では見たくないと思っていたら、「変な生き物100連発」というTV番組で、見ちゃいましたよ。
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主に関西の自然を散策しながら、出会った生き物や風景の写真と、ファーブルフォトで撮った顕微鏡写真のアルバムです。


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