カテゴリ:東海自然歩道(2頁)( 2 )

東海自然歩道 柳生街道 つるし柿と目玉おやじ

東は月ヶ瀬、西は奈良市内へと続く、柳生街道。
今回は、剣豪の里柳生から、奈良公園まで歩いてきました。

近鉄奈良からバスに乗り柳生で下車。
東海自然歩道の道標を見ながら、ぶらぶら歩きを始めます。

柳生家老屋敷を過ぎたあたりで、現れた柳生のニャンコ。
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最近、山歩きが多く、猫の姿を見なかったので久しぶりのニャンコ。

民家の横の細い道を進んで行くと、フユイチゴの葉っぱに虫がのたくった様な模様が。
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これは、字書き虫とか絵描き虫といわれている、潜葉性昆虫の幼虫が作った食べ跡。
潜葉性昆虫とは、あの薄い葉っぱの中で成長する昆虫達の総称。

食べ跡が、最初は細く、だんだんと成長して太くなっていく様子が見られます。

薄い葉っぱの中に昆虫がいるというのも、信じがたい気がするのですが、意外にたくさんの種類がいます。
蛾(ハモグリガ)、ハエ(ハモグリバエ)、ハチ(ハムグリハバチ)、甲虫(チビタマムシ・ノミゾウムシ等)など。

葉っぱ中で、成長する訳ですから、体は紙のように薄くならなくてはなりません。
薄い葉の中の、さらに上層部と下層部で棲み分けする種類もあるというから、驚きです。

集落を過ぎて、柳生街道と書かれた山道へ入り、しばらく進むと、大きな岩に彫られた疱瘡(ほうそう)地蔵へ。
周囲の石垣には、蘚苔類や地衣類がびっしり。
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山道を抜けると畑が現れ阪原の集落へ。
田んぼの横を歩いていると、柳生宗矩が後に側室に迎えるお藤と出会ったお藤の井戸があります。

さらに進むと、南明寺。
南明寺の横に、農家の無人販売所があるので覗いてみると、縄に干し柿が10個程付けたつるし柿が並んでいました。

近くの民家に干してあったつるし柿。
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販売所にあったのは、これと同じつるし柿です。

値段は、ひと縄100円。干し柿1個10円程度。
これは安い。
普通店で買うと、干し柿1個100円くらいしますよねぇ。

財布の中を見ると、小銭は50円玉が2枚しか入っていない。
いくら安いとはいえ、1000円分も買えないので、とりあえず、ひと縄購入。

近くに自販機でも無いかいな、と見まわすも、ありそうもない。
仕方がないので、干し柿を食べながらトボトボ歩いていると、自販機発見。

缶コーヒーを買ったお釣りを握りしめ、再び先ほどの無人販売所まで戻って、3つ購入。
干し柿40個を400円で買い、なんか得した気分。

別の無人販売所には、ヤーコン芋が3~4個袋に入って100円ていうのもありましたが、これは荷物になるので断念。
農家の無人販売所は、とても安いんだけれども、歩き始めの時は、なかなか買えないんですよね。

歩いていると、実を付けたままの柿の木があちらこちらにあります。
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これらは、つるし柿にしないのでしょうか。
たくさん干し柿が作れそうなのに。
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ちなみに干し柿にする柿は渋柿で、甘柿を干し柿にしても、渋柿ほど甘くならないようです。

夜支布(やぎう)山口神社を経て、ズンズン進むとやがて忍辱山(にんにくせん)。
運慶の大日如来像で有名な忍辱山円成寺をちら見して、先を急ぐ。

円成寺の池に浮いていたハスの実。
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自然歩道を進んでいくとやがて舗装道路に出ました。
ここから春日山遊歩道の分岐まで、舗装道路が続きます。

舗装道路を歩いていると、どうしても横の崖地に目が行きます。
そこには、またしてもツチグリが。

以前、ツチグリが「晴天の旅行者」と呼ばれる、と書いたことがありましたが、旅行者とはまたオーバーな、と内心思っていました。
その時は、まだツチグリが転がっている所を見たことが無かったからです。

しかし、ここのツチグリは転がっています。
斜面で開いたツチグリが、転がり落ちて、舗装道路を歩いているような様子を初めて見ました。
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確かに旅立とうとしている様子が感じられます。

ツチグリがあったら、クチベニタケもあるのでは、と思いながら見ていると。
あるある、クチベニタケがいっぱい並んでいます。
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このクチベニタケ、前回見た後で調べたら、柄がタコの足のように生えている、との事。
この次見つけたら、このタコの足がぜひ見たい、と思っていたので、クチベニタケを1個つまみ出して見ることに。

つまむと、赤いクチベニから胞子をプーッと吹き出しました。
そのままエイヤッと引っ張り出すと…

出てきました。タコ足のような柄が。
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しかし、私にはタコ足というよりも、鬼太郎の目玉おやじが、失神して倒れているようにしか見えません。

森を通り抜けると、田んぼや茶畑が広がる集落に出ました。
周りが広がったせいか、やたらと寒い。

集落を抜けると、峠の茶屋へ。
残念ながら、店は閉まっていました。

春日山遊歩道の分岐から、荒木又右衛門が試し切りした、という伝説が残る首切り地蔵を経て、江戸時代に敷かれたという石畳がある滝阪の道へ。
ここまで、途中かなり道草を食っているので、思ったより時間がかかってしまい、だんだんと周りが暗くなってきました。

こんな所で日が暮れてしまっては大変と、うっそうとした、春日山原生林をひたすら歩く。
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町中に出てきた頃にちょうど日没。

奈良公園まで歩いてきたら、もう周りは真っ暗。
遠くの方から、ピィと鹿の鳴き声が聞こえてきました。
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「ぴいと啼く 尻声悲し 夜の鹿」(芭蕉)
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by kou_shino | 2009-12-17 17:25 | 東海自然歩道(2頁) | Comments(0)

東海自然歩道 大河原~笠置 布目川甌穴群と木津川巨岩群の地衣類

急に一日休みになったので、笠置山にでも登ろうとか、と家を出たのですが、段取り悪く木津に着いたのが昼時。
空も曇天で、晴れるようすもなかったので、笠置山は諦めて、大河原から笠置までの東海自然歩道を歩くことにしました。

1時間に1本、1両しかない関西本線の電車に乗って、無人の大河原駅で下車。
ちなみに、大河原駅や笠置駅で、現時点ではicocaが使えません。

大河原駅から車道を横切り、川原へ降りる道に入り、欄干がないコンクリート製の潜没橋(沈下橋)を渡る。
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潜没橋(沈下橋)とは、川が増水した時に水面下へ沈み、増水による橋の破損を防ぐために設計されている橋。
ここの潜没橋は「恋路橋」という演歌に出てきそうな名前を持っていますが、これは、橋を渡った先にある、「恋志谷神社」に由来するようです。

御醍醐天皇の側女を祀った恋志谷神社は、柳生一族にゆかりのある天満宮の境内社だったようですが、恋志谷神社の方が有名になったもよう。

神社の前に東海自然歩道の道標があるので、それに従い前進。
木津川沿いを歩くので「銀の帯ハイキングコース」といわれているコースです。

しばらく車道を歩き、1502年に作られたという十一面観音磨崖仏を過ぎ、少し進むと川沿いの自然歩道へ。
夜に雨が降ったせいか、周りの草木は湿っていて、枯れ葉の色に同調したかのようにくすんだ感じですが、道沿いに生る真っ赤なフユイチゴの実がよく目立ちます。
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フユイチゴの他に目立つ真っ赤なモノは、マムシグサの実。
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山側からは、岩を掻い潜って細い沢が落ちてきます。
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しばらく歩くと、再び潜没橋が現れ、飛鳥路の集落へ。
小さな踏切を渡り、一旦木津川を離れます。

飛鳥路から見える周囲の山は、よく色づいているようですが、曇天なのでいま一つ。

少し山側に入ると、木津川の合流する布目川が見えてきました。
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橋を渡ると、布目川甌穴(おうけつ)群河原があります。
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甌穴(ポットホール)とは、河底の窪みに、渦巻流が生じ中に落ちた小石が回転しながら川床を深く削ってできる穴。
堅い花崗岩にできる甌穴は、数十万年から数百万年かかるようです。

まるで人工的に開けたような円形の甌穴。
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布目川沿いのモミジ。
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束になって生えている草は、ヒガンバナの葉です。

布目川の流れは、水量が多い感じで、ゴーゴーと結構激しい。
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まるで横に流れる滝のようです。

流れの中にも葉を付けた植物が見えます。
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甌穴群を過ぎると、やがて布目川は木津川と合流し、再び木津川沿いを進む。
自然歩道は小さな踏切を渡り、関西本線と木津川の間を進む。

以前に来た時は、この踏切に遮断機は無く、ただ線路に枕木が並べてあるだけでした。
線路と自然歩道も異様に接近していて、「本当にここを歩いてよいものか?」という感じでしたが、さすがに今はしっかりした柵が付けられています。

木津川の流れ。晴れていると銀の帯に見えるのか。
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砂の川岸もあるようです。

笠置駅に近づくと、巨大な岩が増えてきます。
木津川の河原巨岩群です。

対岸の岩壁を見ると、岩の表面にオレンジ色の部分が見えます。
これは、たぶん地衣類でしょうね。アカサビゴケでしょうか。
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地衣類の仲間は、高級食材のイワタケやリトマス試験紙のリトマスゴケなんかが有名ですが、寿命は長いが成長が遅く、巨大な岩壁でないと大きな地衣類は見ることができないようです。
中には1300年以上成長を続け、2m近くにまで広がった地衣類もいるらしい。

上のガードレールと比べると、ここの地衣類も、かなり広範囲に広がっているように見えます。

500年以上前の磨崖仏や、数十万年前以上かかってできる甌穴群が見られる場所です。
さぞや長い間、岩にへばり付いているのでしょうね。
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by kou_shino | 2009-11-28 18:08 | 東海自然歩道(2頁) | Comments(2)


主に関西の自然を散策しながら、出会った生き物や風景の写真と、ファーブルフォトで撮った顕微鏡写真のアルバムです。


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