ファーブルフォト セミノハリセンボン

8月最後の週末と、9月最初の週末の2周続けて、自然散策に出られませんでした。
出かけようとはするのですが、バスの中に携帯を置き忘れたり、朝から胃もたれがして気分が悪かったりで。
(携帯はバスの営業所に落し物として届けられていました)

今年に入ってから、出かける気力というか、モチベーションが上がらず、困っています。
電車・バス・徒歩で、日帰りで行ける場所へは、たいてい訪れていて、一度行った場所へ行く機会が増えた事が原因の一つかも知れません。

というワケで、今月のファーブルフォトです。
今月は冬虫夏草のセミノハリセンボンです。

セミノハリセンボンは、各種のセミの成虫を宿主とする冬虫夏草。
この宿主はヒグラシです。
e0035757_183475.jpg

冬虫夏草は、子嚢菌類バッカクキン科のキノコの仲間。
主に昆虫やクモなどの宿主とりついた後、宿主を殺してその体を栄養源として成長します。
e0035757_1833396.jpg

セミにとりついたセミノハリセンボンは、セミの成虫を殺した後、セミの全身から虫ピン状のシンネマが生えます。
e0035757_1835514.jpg

この姿がハリセンボンのように見えるから、セミノハリセンボンと命名されたのでしょう。

冬虫夏草は、完全型(有性生殖)と不完全型(無性生殖)の2つのタイプがあり、胞子を出すいわゆるキノコの部分の名称が異なります。
完全型のキノコはストローマと呼ばれ、不完全型のキノコはシンネマと呼ばれています。

よって、セミノハリセンボンは不完全型の冬虫夏草です。
細い脚や、
e0035757_1843023.jpg

翅脈や、
e0035757_1845850.jpg

ストロー状の口吻にまでシンネマが生えています。
e0035757_1851412.jpg

おそらく、セミの内部には菌糸がぎっしりと詰まっているのでしょう。

本によると、稀に、不完全型のセミノハリセンボンから完全型のストローマが発生することがあるらしい。
完全型のストローマを、初採集した方の名前をとって、コニシセミタケと呼ばれています。

名前が違うと、別の冬虫夏草のように思えますが、菌糸は同じはずなので、2つ名前があるとややこしい。
しかしキノコの姿が違うからしたかがないのかも。

セミノハリセンボンのシンネマ。
e0035757_1854739.jpg

拡大してみると、やはり小さなキノコですね。
e0035757_186364.jpg

9月に入ったとたん、セミの鳴き声が激減しました。
今年は、最近少なくなってきた、と思っていたニイニイゼミの鳴き声がよく聞こえてきました。
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by kou_shino | 2012-09-02 18:11 | ファーブルフォト(107頁) | Comments(3)
Commented by 顕微鏡下のふしぎ at 2012-09-05 19:52 x
幼虫に寄生する冬虫夏草の「セミタケ」は良く知られていますが、
成虫に寄生する「セミノハリセンボン」は初めてみました。
また、「コニシセミタケ」について調べてみました。
キノコの姿が全く違いますね。
2種類の名前ができたことは、納得できます。
Commented by kou_shino at 2012-09-06 18:27
顕微鏡下のふしぎ さま

セミノハリセンボンが不完全型と完全型の両面を持っているならば、他の冬虫夏草はどうなのか、という疑問は湧いてきます。
冬虫夏草自体、まだまだ新種発見があるようなので、興味は尽きませんね。
Commented by Thethomassabouk at 2013-03-22 10:25 x
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主に関西の自然を散策しながら、出会った生き物や風景の写真と、ファーブルフォトで撮った顕微鏡写真のアルバムです。


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